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7/7【インスタレーション編】 咆哮のカート

忘られぬインパクトを再度求め別の日に会ったアンガーマネジメント片桐は、どういうわけか以前よりコミカルさと情の厚さを発露していました。

 

土曜日。家族連れの多い店内はせわしなく、個展も翌日最終日とあって、お客さんがひしめき合っていました。

品切れていたグッズは納品され、意匠を凝らしクリスマスツリーとして積み上げられていました。

「神は小さき所に宿る」という言葉を思い出します。片桐仁さんの個展には
小さな神様が、どうだ、面白いだろう。と、したり顔で彼方此方に鎮座しているように思います。

 


奇しくもヒトの言葉を話すロボットがぎこちなく複数台近くに据えられたせいで余計にアンガーマネジメント片桐の人間味が際立つのです。

人間並みの機能を兼ね備え傷ひとつ無く佇むロボットの前を人々は通り過ぎ、走る役目を終え満身創痍を修復された姿で展示された彫像には足を止め目を
見張りシャッターを切る。

 


その光景を構成する全てがインスタレーション

 

汗と唾液と怒号を放ち触れるものみな蹴散らかして。小綺麗に整えられた店頭の商品に左右から挟まれてもなお、おかまいなしに鉄拳を振りかざし、何処へ向かうのでしょう。
待って!走っちゃダメよ!

 


高い天井の吹き抜けに来訪者の甲高い声は消え、1.5km続くメインパスへと猪突猛進に情熱がタイヤを焦がす匂いが漂います。

 

誰かが憤怒の念に駆られるのをはたから見ればちょっと滑稽。でも何かを変えるきっかけをくれるのは、こんな真剣な怒りなのかも。

ハラハラもさせられる。でも無視よりずっと心がかよっている。実は剛毅で
頼り甲斐があるのだろうか。

いつか何かに怒りたかった誰かの気持ちを代弁してくれる。

怒らなかったら案外、端正な面差し。

もうそんなに怒らなくたって。

でもやっぱり心の声に誠実でいて。強気なふりして素直になれない誰かのために。

 


仕事熱心で、味わい深く、匂い立つ。

作った人にどこか似ている。