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3/7【後方から】 咆哮のカート

初めて訪れた海浜幕張は茫洋とした空と利便性が駅前からのさばっています。

平日にもかかわらず蜘蛛の子を散らしたように往来を人が埋め、送迎バスはあっという間に満員になりました。


片桐仁さんの個展が開かれたモールの一階で初めに出くわしたのは白色のヒューマノイドロボット二台。人懐こい目の奥で作動するカメラは何を残すのか、意思が通じるかと、不気味な暗闇をつい見つめ返してしまいます。

その向こう、二本の腕が見え始めました。


足裏。左は膝を曲げて。親指の伸展は蹴り出すために大地を掴んだ余韻か。
右膝は伸びて水平に飛ぶような推進力を感じます。
スプリンターの様に腿裏が押し上げた臀筋。

腸骨付近から下がるのは四足動物の…脚?カブリオールレッグ?
だとするとカブリオールはラテン語では跳ね上げる・跳躍の意味なので納得
です。


ところが関節の先は手?!獅子の?或いは魑魅魍魎?このカートが出場したレースは百鬼夜行だったのでしょうか?

車輪を覆ってその手で回すかのように配置されています。斜めから全体を眺めると対角上の前下の手とバランスが取れて、おっかなさを健気に中和します。

蹴り出す力は後ろに伸びた脚より、もしかするとカブリオールのほうが機能しそうです。

怒りはそもそも腹に据えかねたエネルギーが頭に上るので、地を蹴らずともこのカートはジェットのように吐き出される罵詈雑言を勢いに進むのでしょう。だとすると伸びた脚は地団駄を踏んだ後かもしれません。