5/9【森のロックライブ】世田谷パブリックシアター シアタートラム お話の森2018年8月5日に寄せて
かみてから湯気が漂ってきました。お湯がわいたのかな?ここはお風呂です。
わにわにくんシリーズは人気者。洗面器といっしょに掘り出した小さな一冊を片桐さんがかかげると
しってるー!
「じゃーもうよまなくていいかなー?」
だーめーーーー!!!
わにわにくーん!!!
悲鳴でいっぱい。
みんなに寝てもらおうと読み聞かせが始まると、どこのお家でもみんなは寝てくれないみたい。だって楽しいからもっともっと読んで欲しくなるものね。
片桐さんいわく、うちも子どもがなかなか寝てくれない。逆に大人が眠くなって夫婦で押し付け合いになります。そんな時にこれが最後ね、と言って最終手段に丁度いいのがこちらです。
薄くて短くて、文字まですべてみごとな版画で、お風呂に入るのがワクワクしてしまう一冊です。
「『わにわにのおふろ』。」
でもね、眠くは、ならないかなぁ…。
「“じょろろーん!”」
わにわにが湯ぶねに入水するページが
「ぼく、これ、だいすきなんです」
お好き過ぎてもう一度いきおいよく、くりかえして
「“じょろろーん!”」
お風呂場らしいエフェクトを効かせた声が反響します。
だいすきなお風呂、貸し切りだ。わにわにくん、気分よく歌いはじめます。
楽隊はロックバンドに変わりました。
片桐さんは、ライブ会場の名ボーカリストさながら、こぶしをふりあげて
「“うり うり うり うり オー!イェー!”」
いっぱいやってくれました。
みんなにも「オー!イェー!」をやってほしそうですよ。
片桐さんたら、わにわにくんとおそろいで洗面器を帽子の上にのせてノリノリ!客席はもっとノリノリ!!みんなの大きなかけ声が劇場の外にまで聞こたかもしれません。
おもちゃをうかべ、あぶくをとばし、うたって、もぐって、からだをふいてお風呂からいいきもちで上がったわにわにくん。
「“そして わにわには おふろばから でていきました。” 」
せっけんばこから飛びだしたせっけん、あさっての方向に飛んでいったおきにいりのかえるくんのおもちゃ、たおれたままのシャンプーボトル。そんな絵をよーく見た片桐さんは、本にない言葉をくっつけます。
「ちらかしっぱなしで」。
くすくす笑いを湯けむりのなごりの中に残して
「おしまい」。