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大宮エリーさん"なにコレ"展 トークショー ゲスト:片桐仁さん

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○プロローグ

大宮エリーさん「日経MJから、「『あなたのことはよく知らないけど物流をテーマに書いてみる?』という失礼な(笑)依頼を受け、物流から発展して『なんでコレ買ったぁ?!』なるコンセプトを提案したところすんなり通り連載へ。挙句、地方のお客さんが『ぜひ記事をまとめて出版してください』と熱烈希望して叶った出版とその記念展示です。私はこんなにウケると思わなかったし、むしろ売りたいものではなかったのに~」

片桐仁さん「失礼な依頼ですかぁ?僕ならむしろ喜んで引き受けちゃいますよ!売れると思ったものが売れず、売れないと思ったものが思わぬ反響。そういう事ありますよね。僕はこのスペースで色んな人がこれと同じ展示をすればいいのにって思いました。ここの近くの大きな本屋さんで、有名人が選ぶ本の本棚、という売り場があるんだけど、それだとなんか格好付けていそうだし。(有名人本人が見栄を張って)絶対そんなの読んでないよな?!みたいなの並べちゃいそうだし。」

大宮エリーさんの展示のコンセプトを大絶賛。

 


○メインコーナー 大宮さんの展示品

大宮さんが展示品から1つずつ持ち出して紹介するコーナーが本イベントのメインでスタートします。

お二人とも子供心全開!

奇妙なオブジェにはツッコミを入れるし、玩具はとりあえず遊んでみます。

 


【ボタンを押すと一度に大量のシャボン玉が飛ぶシャボン玉セット】

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自動シャボン玉拳銃客席に向けて発射、キラキラ。大人が、しかも裏方さんでもないお二人が。

展覧会が七色に!なかなかお目にかかれない光景です。

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シャボン玉を仰ぎ見るとなぜ人は口を開けてしまうのでしょう。

客席が一斉にパクパクしています。

皆んなの瞳の中にプリズムがキラキラ。

 

片桐さんはお子さん二人が同じものを欲しがる場合は、買うなら別のものを買え、と諭す教育方針だから同型機を二挺は買わない。

そこを大宮さんは四挺買ってしまう。

大宮さん「そんなに倹約家だっけ?」

片桐さん「倹約家ですよ!」

ん?本当かな?

その言葉に首を傾げてしまうような失敗買い物がのちほど次々と紹介されます…。

 

 


【輪ゴム鉄砲】

引き金を引くと輪ゴムが8メートルほど飛ぶプラスチック製のおもちゃ。これもやってみよう、と

大宮さん「輪ゴム、ありますかね?」

片桐さん「なかったらヘアゴムでもいいんじゃないかな」

ご自身の左手首からやおら取り出す、レディメイドのヘアゴム。何年ぶりでしょうか、結えるほど伸びた御髪。

ベレーの中にコンパクトにまとめていますが、ベレーから全く食み出る余地が無いほど伸びたのですね。

 

事務局さんが輪ゴムを持ってくると

「こういう所には輪ゴムあるんだねぇ」

しげしげと感心。

 

客席に輪ゴムを飛ばしまくるおふたり、4連でセットして引くので正に読んで字の如く矢継ぎ早にあちこちに飛んできて会場が盛り上がります。

さながらロックライブでギターのピックが飛ぶようです。

「ロックライブでバンドオリジナルの輪ゴムを作って客席に飛ばしまくれば良いよ」と片桐さんのアイディア。

「すぐボツになっちゃうでしょうけどね」と自分ツッコミ。

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【あの日しなかった花火】

7年前に買ったまま使われていない蔦屋書店のオシャレ花火を

大宮さん「展示が終わったら成仏してもらおうと思って。だからここ(会場内)で花火やっちゃえばいいんじゃん?」

片桐さん「ダメに決まってるでしょ。火災報知器鳴っちゃいますから。ここで?(徐々に乗り気になって事務局に)このあといいですか?…やっぱダメですって」。

 


【フルーツをかたどったマラカス】

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片桐さんも「見たことがある」。しかも売っている場所をご存知。

三軒茶屋の…あぁ!誰が買うんだと思って見てたら大宮さんが買うのか!」

しばしお二人でシャカシャカシャカシャカ。

 

大宮さん「有名建築士と対談した時差し上げたら周りはドン引きだったけどご本人にはマラカスだと思われずに喜ばれて!」

片桐さん「今まで生のイチゴ握ってたんですか?って思われたんでしょうね」

 

 


○ゲスト展示

ゲストとして本会場に展示する物を持ってきた片桐さん。

どうやら一点ではなく数点、奥様にあれもこれもと持たされたとボヤく。

大宮さん「奥様に怒られます?」

ヘンテコな物を買ってきても

「もう怒らない。自分の部屋に持っていきなさいってなる。これ見よがしにリビングに置いておくと、いつの間にか自分の部屋に置かれている」。

 


【新婚旅行で買った沖縄の大きな巻貝】

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本物。

おばあさんが浜辺でパラソル開いて小さなおみやげ屋さんをやっていたところで買いました。

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大宮さん「海の音聴こえるよ」

片桐さん「ここの空調の音だよ」

大宮さん「これは良いよ欲しいよ。なんでとっといたの?新婚旅行で買ったからっていうのはある?」

片桐さん「ない。カバンに入れて持って帰ってきたっていう手間。かさばるのよ。これ(稚貝の頃は)ちっさいの。3年くらいかけてここまで大きくなるんだよ。置き場所ないから階段に置いといたの、いつか粘土盛れるかなと。いやね、盛れない。貝は貝で芸術として完成している。家を守るという言い伝えのある貝(多分クモガイ)でもうひとつ買ってきたやつは玄関の扉にかけておいて、いつか落ちて割れちゃった。」

大宮さん「家、守っていないじゃん!」

 


大宮さんがスナックエリーでもお話ししていた、片桐さんは優しい人だよエピソード。

大宮さん「『GOD DOCTOR』では稽古に使う体育館、予約時間を『着替えなどの仕度に1時間は空けてください』とあとから伝えられてしまい、実働稽古時間を減らさざるをえなくなります。仕方なく台本を削りまくろうとしました。その時片桐さんから、キャストが稽古に入る前に削ればキャストが困らなくて済むと教えてくれた」

照れ隠しなのか、片桐さんは山下真司さんのエピソードを語ります。

山下さんが足を痛めたために急遽車椅子に乗ったままの役に変更させ、セットの階段はすべてスロープに変更。結果的にはそれが功を奏したとの事です。

 

また、そのあとのNACSの戸次さんの全国公演に初めての役者業で参加した大宮さん、緊張のあまり舞台袖で気持ちが悪くなってしまった。片桐さんが背中をさすって「俺もそういうことあるから」と。

片桐さん「手当て、とかって言うじゃん」

大宮さん「誰かにしてもらったことがあるとか?」

それには答えず、その舞台で大宮さんの台詞がやたら多かったことに話をすり替える片桐さん。…あれ?なんで?


【仕事の為に買った、家で夜中でも一人で発声練習を大声でできる器械。黄緑色。】

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大宮さん「色は良いのに」。

用途はメガホンの逆。

大きい方の口に自分の口を当てて喋り、狭い方の口に糸電話みたいのが付いていてその先を自分の耳に入れる。音量を絞るセルフ聴診器みたいな仕組み。

片桐さん「カ行、サ行、タ行、ハ行の滑舌が苦手。自分の出演したドラマを観て自分がなに言ってるか聴き取れないことがある。それで勉強しようと買ったのがこれ」

 

装着しようとして、耳掛けイヤホンみたいな部品がゆるゆるで片桐さんの耳になかなか引っかからずポロッポロ落ちてしまうのです。

その構造が良くないんじゃないかと片桐さんは思っています。

「これがゆるゆるだから音が漏れちゃう」

その通りでしょう。

ですが、口に当てたメガホンもどきが硬い・柔らかいの2層構造になっていようと、たとえイヤホンが耳にスッポリと嵌っていようと、片桐さんの声ってやはり大きいのですよね。

そして、ツルスベのプラスチックは消音効果が無いわけです。音楽室とかコンサートホールの壁に小さな丸い穴が沢山開いていますが、それくらいの本格素材でも使わないと片桐さんの声量は吸収できないと思うのです。プロだもの。

 

「口の周りに丸い跡がついちゃうばかりで…。」

ショボンと。

ご家族に気を遣って役に立たずに三千円、このお値段は高かったと見えました。

何が便利かって

「電気を使わなくていいっていうね」

が、どうしたって音が漏れる。

大宮さん「どうして試してから買わないのかね?」

声が小さくなる片桐さん、肩身狭そうに

「ネットで…。」

 


エレ片のラジオでお話ししていたUSJハリーポッターアトラクションで買った杖】

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このアトラクションでは映画のストーリー仕立ての演出が施されています。お客さんの内、数人に1人が杖を使える魔法使いとして選ばれるのです。この手の遊びはきっと子供が選ばれると思いきや大人の片桐さんが選ばれ、

「なんで俺?!しかも、ドクロが載ってる杖!」

「ふーって振ると埃がふわーっと舞う、とか、杖をこう、ふぁってやるでしょ、そうすると、花が枯れるの!言われた通りに動かすと、魔法が起きるわけ」

面白いものを見付けた子供が親に必死で目の前で何が起きたかを説明するかのように全身を使ったゼスチャーで語ります。

 

5種類ほど杖の振り方と魔法の起き方の組み合わせをやってくださいました。

こういう時、体の動かし方を何パターンも記憶なさっているのか、新たに思い付くのか知る由もありませんが、巧緻性の高さにふと圧倒されてしまいます。当然片桐さんは魔法使いではないし魔法使いの役がそうそう回ってくるわけでもないのに、さっきまで魔法使ってたよ?と思わせるくらいリアルな杖の振り方をなさるのです。

巧緻性に加え観察力ゆえか、再現力ゆえか、こんなところを見てしまうとやはり肩書きは「俳優」に納得。

 

さて、実はこれは実演販売で片桐さん、ついつい五千円で買っちゃいます。

むしろこのノリで買わない訳がありません。

ところが残念ながらこのドクロの杖、映画の中ではどのキャラクターも使用していないのでした。要するにUSJ内のアトラクションの為にオリジナルにデザインされただけの販売用の杖です。大宮さんがご指摘の通りUSJに行く時持って行けば何度でも使えます。

が、しかし、

大宮さん「年パス?」

片桐さん「じゃあないし!」

それに自宅に持って帰ったところでキャラクターになりきることもできないし、人に見せるにも何だかこの杖の役割を説明するだけで物凄く手間。映画とは無関係なデザインなんだけど映画のアトラクションで使っている…って何じゃそのオチは?!という腰砕け感。

そして足りないスペシャル感。

USJに申し訳ないけれどこれって、「なんでコレ買ったぁ?!」と言うより「なんでコレ作ったぁ?!」な代物じゃないですか。それなら普通にハリーポッターが使っていたのと同じデザインが欲しいよぅ!

 

大宮さん「なんで子どもじゃなく片桐さんだったんでしょうね?選ばれたの」

片桐さん「俺、ノリノリで食い付いてたからでしょうね。アトラクションのスタッフが見てたんだと思う。あいつ買うぞ(悪魔声で)、と。俺は子供にやらせてあげたくて『もう一周しようか』と提案したけど2人とも『もういいよ』って」。

モノより思い出。

大宮さんのご提案通り大宮さんの花火と一緒に「成仏して」もらっちゃいますか?

 


ほかに片桐さんが持ち込んだのは

 


【子供の学校のバザーで買った、小学生が作ったお寿司のオブジェ】

「寿司ってところが良いでしょう?これが男子なんです。女子は現実的な物を作りますよ。なんで寿司なんだ、っていう」

 

単純に男の子が自分の好きな物を作りたかっただけかもしれない。

でもその純粋な作りたい気持ちが片桐さんの心を動かしたんだと思います。とても器用さが伺える作品だし。

その小学生が粘土アーティストの片桐仁さんに作品を買ってもらえたと知ったらどう思うでしょう?

折角だからここで大勢の方々に見てもらえると幸せですね。

 


【飛騨高山で買った精巧に出来たマグネット】

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多足動物をかたどってあり、磁石を貼り付けた後もしばらくビョンビョンと振動して脚が虫っぽく震えている。生きているみたい。

会場は女性が多くて、いやぁ~~、ひぇ~~~、という悲鳴が何度も起こります。

大宮さんも片桐さんと同じくその反応に対照的に無頓着なのでどんどん触るし会場の奥まで見えるように掲げてプルプルしてくださるので更にえぇ〜〜〜、ぅわぁ〜〜〜。それにリアルな彩色です。

 

片桐さん「いろんな色があったのから選りすぐって買ってきたのに…」。

ご家族からとても不評だった一品。

近寄って見ると大変美しかったです。

作るの大変だと思いますがねぇ。

「手作りなんですよぉ?飛騨高山、手作り」。

 


【アフリカで(子どもの分と…わたしの記憶が正しければ恐らくご自身の分もで全部で3つ)買った、大人の顔の大きさほどもある、小動物くらい仕留められそうな太いゴムのかかったパチンコ】

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動物を見るツアーの最中にも、片桐さんのお子さん方は弓を引く動作に夢中になってしまいます。

もちろん石や矢じりなんか仕掛けてはいません。から引きです。

ところが空引きの矢の先をペンギンの群れに向けているのを他の国の観光客が見てしまい「あの子どもたちはなんてけしからん真似をしているんだ」と白い目の集中砲火を浴びる始末。

猛獣を射る訳でもなく飛ぶ鳥を落とす訳でもなく

大宮さん「日本の評判を落としたってわけですね」。

 


【角笛の形をした、肩からかけられる携帯用ドリンクポット】

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飲んでる?吹いてる?使用中の見た目は最高にウケる。

ところがやたらと中身がこぼれるし、底が尖っていて垂直に置けない…!置かなきゃこぼれる、置いてもこぼれる、どうすりゃいいのさ。

わたしが思い出したのは沖縄の宴席用ぐい呑みで先が尖っている物です。安定性が悪くて置けないから延々と飲み続けないといけないという習わしに使います。

 

大トリにこれを持ってきたのがコンセプト通り。購入者を困惑させるところまでがこの商品の個性でしょう。使えないじゃんと言って返品などしないのが片桐さんのお人柄。

面白い発想を選択した(買った)という行為そのものが片桐さんのアイデンティティの範疇だからこそ捨てず返さずとっておいてしまったのかも。

にしてもホント使えない、これ。

 


○エピローグ

片桐さんの持参品を飾る場所に悩む大宮さんに

「誰がどこへ飾るかがアートですからね」

ビシッと。でもあまりにも点数が多過ぎて

「沢山持ってき過ぎましたかね…」

 

大宮さん「(USJの杖の隣の余白に)サイン書いてください。ほかにも何か描いて」

片桐さん「なんでカニだろう?!こうするとカニっぽくなるよね(点描を打つ)」

ウケる。もうちょっと描く。更にウケる。書く。また別の場所に書く。終了時間を過ぎていますよ~?

昨日のイベントゲストだったしりあがり寿さんは1点のみご持参でサインの他に小さくふたつ絵をお描きになったのですが…

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片桐さんの、余白への落書き。

おしゃべりが止まらないのと同じように手が止まらない。

迷いがなく筆が(マジックインキですが)流れるように早い早い。

茶目っ気がたっぷり込められていました。

 


明後日以降のゲスト、小島瑠璃子さんといとうあさこさんについて、

片桐さん「テレビの人ですもんね」

大宮さん「仁さんだってテレビの人じゃないですか、ドラマ出て」

片桐さん「ドラマのお仕事なんてほんっとに今までずっと無かったですから。『99.9』くらいからですもん。僕は演劇の世界で。みんなテレビは見るんですよ、演劇は見ないでしょ。この中で演劇見に行くよ、っていう人ー?」

半数以上、いえ大多数が一斉に挙手。あ、あら…。みたいなポカンとした表情を一瞬した片桐さん、天然?or not?

 


イベント開始前に「ちょっとビールを飲みましたけど、」開始後は事務局が用意したペットボトルの「今、お水がおいしいなぁと思って」再び出してもらったビールとお水を交互に口にしておられました。

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左手が片桐さんの飲み終わり。この日の気温は16℃。真夜中も10℃を下らないほど暖かく、飲み物片手にトークの花咲くイベント日和でした。

 

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