お話の森2019年8月4日 2/7 『きょうはなんのひ』
この絵本はとても人気で、取り出した途端に
しってるーーー!!!
しってる!!!
「知ってるんですねー?だから何ですか〜?だからってお話の続きを言ってもいいってわけじゃないんですからねー!」
片桐さんは威張った格好でステージの真ん中を行ったり来たりしています。だぶだぶしましまのズボンを履いて、王様みたいですよ。
「おしまいの方は文字がいっぱいなんですよね」
親御さんから、わかるわかる、との笑い声が聞こえてきます。
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家を出る時、まみこはお母さんに呪文のような、なぞなぞのような問いかけを残して元気よく出かけます。お父さんも仕事に出かけています。
家でひとりお留守番のお母さんは、お嬢ちゃんに言われたとおり階段3段目を探します。そこには赤いリボンを結んだ白い紙がありました。
お母さんが開けてみると、また別の場所を探すようにと書いてあります。そこへ行くと、また赤いリボンの紙があり…
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わたしはこの絵本を両親に買ってもらってたいそう気に入り、まだ学生の頃友人の家を訪ねた時、このお話を真似して友人宅に仲間とこっそりと、いくつもの赤いリボンの紙をたくさん残して立ち去りました。
出席日数が足りず高校をひとりだけ卒業出来なかったその友人は、一人暮らしの部屋で全ての紙を集めたあと笑いの混じったため息をつきながら、わたしの家に電話をくれました。
紙に書かれた文章の1番最初にくる文字だけを集めると、「だいけんごうかくおめでとう」、大検合格おめでとうと読める仕掛けでした。
大人同士でやるのは照れ臭くて面倒で遠回しですね。
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「傘立ての?なか〜?」
傘立て、どこ?
とぼけてあっちへこっちへ探し回る片桐さんに、元気な声が飛びます。
まえーー!!
まっすぐーーー!!
「まえ????」
と言ってまっすぐ行き過ぎわざと通り過ぎる片桐さん。
ちがーうーーー!!
もっとみぎーーーー!!
「みぎ?僕から見て右はこっちなんだけど…」
小さなお客さまにとっての右は、傘立てとは逆の左側にありますよ!
ちがーう!ちがーーーう!
大騒ぎでシアターが破裂しそう。
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集まった紙は全部で13枚。
木の付く下を読んでごらん。
まみこの歌った通り、それぞれの紙の文字の上には、1枚に1文字ずつ木の記号が描かれています。
その真下にある字を順に読んでみると
「ケ?」
1枚目は「け」。
2枚目は…
「ツ?…ケツ?!」
子どもたちはおケツが面白くてしょうがなくてアハアハ笑ってしまいます。
「ビ?…オ??ビオってヨーグルトありますね」
これには健康志向の大人たちが苦笑い。
「トウ!!ヒーローか?!ヒーロー登場!とうっ!!」
お、め、で、と、う!おめでとうだよ!!
正解の声がちらほら聞こえます。
片桐さんがこの森の始まりで仰ったように、物語の結末を知っていても、まだ読んだことのない人のためにここではナイショにしておきますね。