12/14【夜の銀座這う甲虫】銀座 蔦屋書店 トークイベント運慶展に寄せて
イベントも終わりに近づいた頃「もう一回行きたい」仰ってそれまで机上に寝かせていた甲虫(こうちゅう)を起こし爪繰る片桐仁さん。
このiPhoneを覆うニシキキンカメムシはこのイベントで唯一実物を拝観できるアート作品でした。
運慶目当てで片桐仁さんの作品をあまりご存じない方々、見つめ過ぎです…穴が空くよ(比喩的に)。
散々運慶関連作品をスライドで見て感嘆したのに、この作品を目にした途端、実物を観に足を運ぶ素晴らしさを改めて思い知らされます。
「やっぱりだめでした〜」
仰向けに机に戻された相棒は、見えないはずの六本の足をバタつかせ…小さく羽音を立てて抵抗し、土と樹液の匂いを漂わせた気がしました。
スケジュールはぎっしり。
”誰か席に着いて”全国公演の途中にこのお仕事にいらしているんですものね。
その気力体力お見事。
度重なる盛り上がりにお客さんが身を乗り出しもっともっとと椅子からずり落ちそうになったところで、時間を気になさる西木政統さんがトークをまとめようとします。
が、他のお二人が無遠慮にトークに乱入して止まらない。
このイベントの幕開けに提示されたわちゃわちゃ感の再来です。
始まりそうで始まらなかったおしゃべりは、今や終わりそうで終わらない。
まとまらない盛り上がりを三回繰り返し閉幕。