11/14【転がし円びて悪怯れぬ】 銀座 蔦屋書店 トークイベント運慶展に寄せて
聴衆五十人を後ろ盾に西木政統さんを掴まえたが最後、ここだけの話を引き出さずに帰れるか!いざ勝負。三者を二者対立へ、そしてひとつへ。
結局最終決議は「誰が決めるんですか?やっぱり運慶作でしたって」
うんうん。この二人なら知っているかもしれない。
「だって運慶作だったってことにしたいの見え見えでしょう、今回運慶展に展示されたってことは」
西木政統さん途端に歯切れの悪い政治家の答弁みたいに言葉を濁します。変な汗でもかいていらっしゃるんじゃないの?
そこへ剛毅果断にも「お寺さんとか展示会さんのご意向なんてのもあるんでしょうか?」
おぉ…斬りこんじゃった。息を飲む。みんな知りたい!
…西木政統さんからも辻明俊さんからもノーアンサー。
歴史とは常に権力で捻じ曲げられてきたもの。テクノロジー全盛期の21世紀ですら真実は闇の中?
「やっぱ多数決ですか?」
た・す・う・け・つ!!
二者は対立、三者で物語はありとあらゆる方向へ転がり動くと、大学の文芸演習ご担当の故・江中直樹さんが仰いました。
それまで三人で回していたお話を、片桐仁さんはお客さんの総意を忖度し二者対立構造に持ち込みました。
畳み掛ける誘導尋問にお二人たじたじ、お客さん笑い過ぎ。
南大門金剛力士像も「いっそのこと博物館展示されてしまえばいいのに」とは片桐仁さんのお言葉にして講師陣含め会場全体がひとつになったイベントのピーク。
それ、みんな思ってた。
思いつつもあんなおっきなの、どの博物館に入るの?
えー、やら、おぉ〜、やら、ゲラゲラやら。
と、すかさず西木政統さんの繰り広げる妄想、願望。
いやもしかしたら叶うかもしれないですよ、次に修復で解体する時。
「いつ?」
2024年…かも!?
おぉ〜っ。
フロアがどよめきに揺れます。
やっぱりみんなの願望なんですよね。