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2/4【試写会公式サイト投稿文推敲】葱嶺の雄姿

舞台挨拶にお目当ての俳優さんはいらっしゃいませんでしたが、主演女優の中村ゆりかさんが、サプライズで出されたラーメンを召し上がりました。


「こんな大勢の前で…」と恥ずかしげで初々しく、バーガンディの随分と大人びたドレスで登壇した彼女と、銀幕の高校生役の乖離がわたしの中で解消され、親心にも安堵にも似た感情が放たれました。

 

本当はどんなひとなのだろう。
この女優さんも、俳優さんも。

 

スクリーンに存在した片桐仁さんはその名を手放し全き料理研究家でおられ、共演者は彼の出会ったラーメン一家でした。

 

 

 

本作はラーメンを通して、生きることの素晴らしさにもう一度人生を賭けようとする登場人物たちの奮闘にエネルギーをもらえる作品です。

この作品に出逢ったとき、私は人生の半ばにしてやりたくてもやれないことは尽きず、悔やまれることもあり、希望を失ってはいないけれど取り返しのつかないことが全くないとは言えない時期でした。

 

マンガの原作と知り、笑える話かな?
としか思っていませんでした。
ネットの試し読みをほんの少しだけかじり、ほぼ初見状態で臨みました。

 

この作中で重要な絆として描かれる出逢いは、思いがけない偶然で繋がれていたり、亡き人のもたらすかけがえのない思い出の微笑みだったり、切っても切れない因縁です。

それを端的にひと言に表した台詞を、予告編で片桐仁さんが料理研究家・赤星亘として語ります。

時に面倒くさく、時に生きる上での助けとなるこうしたご縁に私たちは、登場人物達と同じように日頃恵まれ生かされているのだと気付かされました。

 

 

 

中村ゆりかさんは清楚でひたむきな高校生でした。特筆すべきは撮影期間に上達したと仰ったラーメン作りの腕前と、友情や夢に苦しみながら試練を乗り越える表情の移ろいです。 

 

共演の皆さん素晴らしく、誰一人として欠けてはならない絶妙なチームワークだったのではないでしょうか。

その陰には舞台裏のハプニングやそれを乗り越えて強くなったタッグもあったと想像します。

 

 

生きる勇気を与え、希望の光を照らしてくれる心温まるストーリーは誰にでも共感と感動をもたらしてくれるはずです。

 

キルギス雄大な自然の中で行われた過酷なロケと音楽もこの感動に拍車をかけるべく、ひと役買っています。

 

この映画の台詞に「三位一体」とあります。
その三つとは何の比喩なのか、探しながら観るのも一興でした。

 

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