片桐仁さん
舞台挨拶にお目当ての俳優さんはいらっしゃいませんでしたが、主演女優の中村ゆりかさんが、サプライズで出されたラーメンを召し上がりました。 「こんな大勢の前で…」と恥ずかしげで初々しく、バーガンディの随分と大人びたドレスで登壇した彼女と、銀幕の…
想像力は必ず意志の力を上回る フランスで自己暗示を医療に取り入れた第一人者・エミール・クーエの言葉です。 実際に傷を負っていなくても、脳は痛みを再生し体現させると聞いたことがあります。子どものころの記憶です。痛くて嫌いな予防注射。行列の前の…
その一方で、他方、別の想いを抱きました。客席が湧く。あれ?何故皆?と、感じる違和感。シリアスな展開に移行したのでは無かったの?皆が笑うのだから当たり前に笑えるところでもあったのかもしれない。そう納得させてから観たテレビ放映では笑う事も出来…
この日舞台で取れた座席は一番隅でした。舞台からは見えないだろうとの安堵は否。それをわたしは経験上知っているのに、逆側に回ると、きっと舞台からは見えないと思い込んでしまいます。 舞台の趣旨をよく知らずに赴いてしまっていました。出演者の名前だけ…
開演一時間前。立ち見券に二人の女性が並んだのを見たあと、辺りを散策することにしました。 この地は大きなキー局が広い敷地を占めています。向かいの建物には社屋内観覧に来た客か、もしくは子役かと思しき大勢の子どもたちとその保護者さんがロビーで待機…
忘られぬインパクトを再度求め別の日に会ったアンガーマネジメント片桐は、どういうわけか以前よりコミカルさと情の厚さを発露していました。 土曜日。家族連れの多い店内はせわしなく、個展も翌日最終日とあって、お客さんがひしめき合っていました。 品切…
発泡スチロールなんですよ。 人の良い笑顔で最低限の言葉、最大限のおもてなし。展覧会受付の男性はSPのように大きな体を揺さぶりながら何とも気の抜ける解説を一言だけ放ちました。 過不足無い歓待ぶりを心地良く感じた私は、次の来客が受付を塞ぐまでお喋…
拳は拳面(パンチで相手に当たる面)が内側に向かい合わせ。手首は橈屈して親指の第一関節と人差し指の第二関節が対戦相手のこめかみを挟み撃ちにします。 拳面が平ら、親指が人差し指と中指を覆い親指先が小指側に向いている点からは、この腕の持ち主が研鑽を…
全身の関節と筋肉の盛り上がる所に、金色の二重丸、三重丸、渦巻きを配置。遠目でも立体感を手に取るように感じられます。 腕は拳のほかに高さをたがえて二本、用途を成しています。 瞼とひたいの筋肉をいっぱいに収縮して見開いた両眼。この素材では表現し…
初めて訪れた海浜幕張は茫洋とした空と利便性が駅前からのさばっています。 平日にもかかわらず蜘蛛の子を散らしたように往来を人が埋め、送迎バスはあっという間に満員になりました。 片桐仁さんの個展が開かれたモールの一階で初めに出くわしたのは白色の…
片桐仁さんは挽きたての寒ざらし粉の匂いがしました。ほんのりとあまく雑味のない、清らな雪室の。以来、封を切りしな深呼吸しては咳き込むのです。 いつも通りに虚勢を張れないのはどうしてだろう。ひとつお願いしてひとつ忘れて。間を埋めるつもりが口をす…
1/7 【目次】 http://vessels.hatenablog.com/entry/2018/01/15/210344 2/7 【招待編】 http://vessels.hatenablog.com/entry/2018/01/15/212719 3/7 【後方から】 http://vessels.hatenablog.com/entry/2018/01/15/212735 4/7 【前方から】 http://vessels.…
浅見龍介 監修(2017)『運慶への招待 救いを実感できる仏像を求めて』朝日新聞出版. 京都芸大美術教育研究会・日本文教出版編集部 編集『新版 美術の表現と鑑賞』株式会社秀学社. 片桐仁(2015)『おしり2 ラーメンズ片桐仁のおしえて何故ならしりたがりだから …
若山牧水に”まろびる”という言葉があります。円びる、と書いて”和む”、”丸く収まる”、”自由自在に転がる”と使います。 笑いを盛り、理性の武装を削り取り、トークを”転がし”、場を”和ませ”る片桐仁さん。 粘土も”自由自在に転がす”その手が境界線のソトから…
お客さんに寄り添い、講師との間に立ち、どの立場のかたにも手を差し伸べ、時に運慶が乗り移ったかのように、時にただもうご自身が夢中で仕方ないように、この一時間半、何役こなされたことでしょう。 専門解説だけじゃ敷居高いし法話だけじゃお寺で聴いたほ…
対面でのコミュニケーションを楽しみにしていたファンのどなたもが、ファンに配慮するファンでした。 我先にとは飛び付かず、どなたも行列を作らず遠巻きに順番をお待ちしていて、お話し中のかたを急かすまいとしておられるのかなぁと感心しました。 皆さん…
イベントも終わりに近づいた頃「もう一回行きたい」仰ってそれまで机上に寝かせていた甲虫(こうちゅう)を起こし爪繰る片桐仁さん。 このiPhoneを覆うニシキキンカメムシはこのイベントで唯一実物を拝観できるアート作品でした。運慶目当てで片桐仁さんの作品…
聴衆五十人を後ろ盾に西木政統さんを掴まえたが最後、ここだけの話を引き出さずに帰れるか!いざ勝負。三者を二者対立へ、そしてひとつへ。 結局最終決議は「誰が決めるんですか?やっぱり運慶作でしたって」うんうん。この二人なら知っているかもしれない。…
作風に異なる個性を発揮し、異なる層の支持者を得た二人。国宝・南大門 金剛力士立像は運慶と快慶の共作です。たったの69日間で仕上げることが出来た理由は寄木造もさることながら運慶の絶大なプロデュース能力の賜物。 運慶は全体をプロデュースしながら、…
二十を廿と書かれた納入品の文字に反応し西木政統さんのお話に「あ、そう書くほうの廿ね」。 達筆な草書の羅列、わたしには廿しか読めません。一文字ずつ読み方を追っていたら解説を聞き逃します。 そうでなくても西木政統さんはノッてくると口語に文語に古…
クイズです。吽行像、修復のために分解されます。30cmの縮小像、さていくつに分けられるでしょうか?正解は「さんぜん?!」3,115ピース。「プラモデルと比較しても多い…」その比較対象が引き合いに出されたことに居合わせた元少年たちが盛り上がります。 展…
このトークイベントのコンセプトに沿い、西木政統さんと共に「お寺にあるのと展示されているのは違います」。 お寺だと正面からしか見えなかったりお堂の中は暗かったり。像そのものを360度堪能したい拝観者にとって展示会は格好の機会。 辻明俊さん”お堂に…
“羅は上下はつれ、螺鈿の軸は、貝落ちて後こそいみじけれ”とは兼好法師の徒然草。 「日本だけですよね」「完全体でない美」そう語られたのは無著菩薩(むじゃくぼさつ)立像について。 仏像が金一色で完全に輝いていると神々しい。生々しさとは対照的に「作り…
旅は道連れ、博物館巡りもまた。愛称を付けて美術品を鑑賞するなんて、気心知れた友人と拝観するみたい。作品との距離も縮まります。 「童子」以外は展示品に対し正式名称ではなく、ご自身の感性に依る言葉を紡いで呼んでおられました。 それらのニックネー…
4/14【お衣装編】 西木政統さんはグレー系ダークスーツに身を包み、辻明俊さんは粋な藍の法衣。 絵の具の箱のふたを開けたような片桐仁さんは南の島の楽園色の、輝き艶々の甲虫を伴わせて登場です。 ベレーはグルナディーヌレッド。 トップスは片桐仁さんリ…
GINZA SIX中央吹き抜けは草間彌生さんの新作インスタレーションを2/25(日)まで展示中。その6階。銀座 蔦屋書店さんは本を介してアートと日本文化と暮らしをつなぎ、“アートのある暮らし”を提案しています。 銀座 蔦屋書店さんの簡単なご紹介の後、お三方入場…
【トークイベント】《銀座美術夜話会 第5話》閉幕間近!まだまだ楽しむ運慶展片桐仁×辻明俊(興福寺)×西木政統(東京国立博物館)運慶の眼、技、心ー天才仏師の創造への渇望に迫る。https://store.tsite.jp/ginza/event/art/1151-1456141106.html ゲストを主役…
1/14【目次】http://vessels.hatenablog.com/entry/2017/12/21/205713 2/14【はじめに】http://vessels.hatenablog.com/entry/2017/12/21/205820 3/14【登場編】http://vessels.hatenablog.com/entry/2017/12/21/210037 4/14【お衣装編】http://vessels.hate…