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4/9 【212ひきのねこ ちからをあわせて】世田谷パブリックシアター シアタートラム お話の森2018年8月5日に寄せて

次の本がかくされていた、しもての落ち葉の近くで立て看板が見つかりました。楽隊さんの目の前の、いろがみのついた楽譜立てのようなものが、それでした。ひっくり返すと 「このほんをよむな」。 片桐さんは、いきおいよく 「よみまーす!!」 「『11ぴきの…

3/9 【ぶたぶたくんの町】世田谷パブリックシアター シアタートラム お話の森2018年8月5日に寄せて

落ち葉の小山の中から掘り出した絵本は、“ぶたぶたくん”の、はじめてのお買いもの。文字がとても多いです。 読みながらぶたぶたくんのたどった道を想像すると頭の中に町が出来あがり。思っていたとおりの町だったかどうかは、最後のページの地図で答えあわせ…

2/9 【お話の会、はじまり、はじまり】世田谷パブリックシアター シアタートラム お話の森2018年8月5日に寄せて

ステージ奥には左右それぞれ木の扉がひとつずつあります。 しもての扉が開き、茶色っぽい服を着た楽士さん3人、並んで椅子に腰かけ楽器を手に取りました。 ゆっくりとアコーディオンが息を吸いこむと鳥たちはしんと音楽に聴き入ります。 優しくどこかなつか…

1/9【ようこそ森へ】世田谷パブリックシアター シアタートラム お話の森2018年8月5日に寄せて

シアタートラムは二百人が集える、こじんまりとした劇場です。 都会の真ん中に現れた避暑地さながら、鳥のさえずりが満ちています。 スクリーンには青々と生い茂る木々、小径、手すり。 しもてには楽隊さんの椅子が三脚。 椅子に寄り添って、アコーディオン…

8/8 【破顔神楽の虫談義】片桐仁×小松貴「昆虫愛!」 『昆虫学者はやめられない―裏山の奇人、徘徊の記』(小松貴著)刊行記念トークイベントに寄せて

小松貴さんの新刊は昆虫に興味の薄い層もターゲットに書かれています。ドラマがあり美しい写真があり彼の汗と涙が結実しています。これを、どうですか こんな面白い人の有り得ない本、読んでみたくなったでしょう?と(は仰らないまでも)その声で全身で1時間…

7/8 【破顔神楽の虫談義】片桐仁×小松貴「昆虫愛!」 『昆虫学者はやめられない―裏山の奇人、徘徊の記』(小松貴著)刊行記念トークイベントに寄せて

最も大事なキーワードに、「好蟻性昆虫」がありました。 小松貴さんの主な研究対象です。4ミリのコオロギが蟻の巣に” 一方的に ”共生しています。何処でも、その辺りの道端でも発見できるとか。 「見たことねぇ!」 大波の笑い。もうひとつ付け加えるなら、…

6/8 【破顔神楽の虫談義】片桐仁×小松貴「昆虫愛!」 『昆虫学者はやめられない―裏山の奇人、徘徊の記』(小松貴著)刊行記念トークイベントに寄せて

振り返れば小学校低学年まではわたしも虫が友達でした。通学路のカタツムリ、松脂に足を取られるカナブン、母の疎開先のカエル、バッタにコオロギ、セミ、トンボ。図鑑を眺め、お墓も作りました。いくら付き合いを長くしても虫との関係性が変わらないと知り…

5/8 【破顔神楽の虫談義】片桐仁×小松貴「昆虫愛!」 『昆虫学者はやめられない―裏山の奇人、徘徊の記』(小松貴著)刊行記念トークイベントに寄せて

話題は小松貴さんの、楽園の宝石話にゆるゆると移ります。せっかくの島の旅ですが、小松貴さんは珊瑚礁にも魚にも目もくれず、水着に着替える事すらおろか太陽に当たる事すらしません。 彼の宝石は何と洞窟に棲まう島の固有種のゴキブリ。そのチョイスのユニ…

4/8 【破顔神楽の虫談義】片桐仁×小松貴「昆虫愛!」 『昆虫学者はやめられない―裏山の奇人、徘徊の記』(小松貴著)刊行記念トークイベントに寄せて

冬眠中の蛹を探す旅から話はナナフシへ。 擬態する昆虫は保護色の中に身を隠すものと思いきや そうでもないことを小松貴さんの新刊から抜き出して。 撮影は昼間。昼は敵の目を欺くため前足を伸ばし木枝のふりをして静止。ナナフシ探しは、私に見破れぬ擬態は…

3/8 【破顔神楽の虫談義】片桐仁×小松貴「昆虫愛!」 『昆虫学者はやめられない―裏山の奇人、徘徊の記』(小松貴著)刊行記念トークイベントに寄せて

これから投影される画像の中にどんな昆虫が居るか、小松貴さんが出題し片桐仁さんが答えるクイズ形式から始めましょう。そう主催者がアナウンスしてマイクがお二人の手に委ねられました。 そして映されるやいなや何故か現れる、蚊の画像。 ん?…うん、クイズ…

2/8 【破顔神楽の虫談義】片桐仁×小松貴「昆虫愛!」 『昆虫学者はやめられない―裏山の奇人、徘徊の記』(小松貴著)刊行記念トークイベントに寄せて

小松貴さんは昼間の虫探しの泥をスニーカーに付けたまま登壇されました。 わたしにはそれが彼らしさの象徴で、この会場を埋めたお客さんへの名刺代わりだと思えました。 ショッキングピンクの絵柄を据えた黒いTシャツと濃紺のパンツは虫探しで鍛えられた体…

1/8 【破顔神楽の虫談義】片桐仁×小松貴「昆虫愛!」 『昆虫学者はやめられない―裏山の奇人、徘徊の記』(小松貴著)刊行記念トークイベントに寄せて

笑と言う字は神様を楽しませるために舞を踊う巫女さんの両手の象形だと言う由来があります。 神楽坂の名の由来は、坂の右側に位置する高田穴八幡が神楽を奏したからとも、若宮八幡の社の神楽の音がこの坂まで聞こえたからとも言われます。 神楽は神の宿ると…

4/4【二度目の観覧】葱嶺の雄姿

真っ黒な中に真っ白で 「片桐仁」 ひとりだけ流れてきたエンドロールに、最後の一滴までしぼり取られました。 更に眺めていると、わたしもよくお世話になる 「小林製麺」 あ、ラーメンズ。 試写会に次いで、二度目の観覧。 「ラーメン食いてぇ!」 思い入れ…

3/4【試写会感想】葱嶺の雄姿

予告編は何度も観ました。観覧前は只のお気に入りの俳優さんのコメディタッチの演技という印象だったのに、試写会のあとは苦しく感じました。 人生これまでかとがっくり膝を折る一連のシーンには力尽きる直前に肚の底から絞り出された、生きたいという声が聴…

2/4【試写会公式サイト投稿文推敲】葱嶺の雄姿

舞台挨拶にお目当ての俳優さんはいらっしゃいませんでしたが、主演女優の中村ゆりかさんが、サプライズで出されたラーメンを召し上がりました。 「こんな大勢の前で…」と恥ずかしげで初々しく、バーガンディの随分と大人びたドレスで登壇した彼女と、銀幕の…

1/4【はじめに】葱嶺の雄姿

想像力は必ず意志の力を上回る フランスで自己暗示を医療に取り入れた第一人者・エミール・クーエの言葉です。 実際に傷を負っていなくても、脳は痛みを再生し体現させると聞いたことがあります。子どものころの記憶です。痛くて嫌いな予防注射。行列の前の…

3/3 檜舞台の結晶

その一方で、他方、別の想いを抱きました。客席が湧く。あれ?何故皆?と、感じる違和感。シリアスな展開に移行したのでは無かったの?皆が笑うのだから当たり前に笑えるところでもあったのかもしれない。そう納得させてから観たテレビ放映では笑う事も出来…

2/3 檜舞台の結晶

この日舞台で取れた座席は一番隅でした。舞台からは見えないだろうとの安堵は否。それをわたしは経験上知っているのに、逆側に回ると、きっと舞台からは見えないと思い込んでしまいます。 舞台の趣旨をよく知らずに赴いてしまっていました。出演者の名前だけ…

1/3 檜舞台の結晶

開演一時間前。立ち見券に二人の女性が並んだのを見たあと、辺りを散策することにしました。 この地は大きなキー局が広い敷地を占めています。向かいの建物には社屋内観覧に来た客か、もしくは子役かと思しき大勢の子どもたちとその保護者さんがロビーで待機…

7/7【インスタレーション編】 咆哮のカート

忘られぬインパクトを再度求め別の日に会ったアンガーマネジメント片桐は、どういうわけか以前よりコミカルさと情の厚さを発露していました。 土曜日。家族連れの多い店内はせわしなく、個展も翌日最終日とあって、お客さんがひしめき合っていました。 品切…

6/7【個展拝観後に再び】 咆哮のカート

発泡スチロールなんですよ。 人の良い笑顔で最低限の言葉、最大限のおもてなし。展覧会受付の男性はSPのように大きな体を揺さぶりながら何とも気の抜ける解説を一言だけ放ちました。 過不足無い歓待ぶりを心地良く感じた私は、次の来客が受付を塞ぐまでお喋…

5/7【身体操作編】 咆哮のカート

拳は拳面(パンチで相手に当たる面)が内側に向かい合わせ。手首は橈屈して親指の第一関節と人差し指の第二関節が対戦相手のこめかみを挟み撃ちにします。 拳面が平ら、親指が人差し指と中指を覆い親指先が小指側に向いている点からは、この腕の持ち主が研鑽を…

4/7【前方から】 咆哮のカート

全身の関節と筋肉の盛り上がる所に、金色の二重丸、三重丸、渦巻きを配置。遠目でも立体感を手に取るように感じられます。 腕は拳のほかに高さをたがえて二本、用途を成しています。 瞼とひたいの筋肉をいっぱいに収縮して見開いた両眼。この素材では表現し…

3/7【後方から】 咆哮のカート

初めて訪れた海浜幕張は茫洋とした空と利便性が駅前からのさばっています。 平日にもかかわらず蜘蛛の子を散らしたように往来を人が埋め、送迎バスはあっという間に満員になりました。 片桐仁さんの個展が開かれたモールの一階で初めに出くわしたのは白色の…

2/7【招待編】 咆哮のカート

片桐仁さんは挽きたての寒ざらし粉の匂いがしました。ほんのりとあまく雑味のない、清らな雪室の。以来、封を切りしな深呼吸しては咳き込むのです。 いつも通りに虚勢を張れないのはどうしてだろう。ひとつお願いしてひとつ忘れて。間を埋めるつもりが口をす…

1/7 【目次】 咆哮のカート

1/7 【目次】 http://vessels.hatenablog.com/entry/2018/01/15/210344 2/7 【招待編】 http://vessels.hatenablog.com/entry/2018/01/15/212719 3/7 【後方から】 http://vessels.hatenablog.com/entry/2018/01/15/212735 4/7 【前方から】 http://vessels.…

【参考文献】銀座 蔦屋書店 トークイベント運慶展に寄せて

浅見龍介 監修(2017)『運慶への招待 救いを実感できる仏像を求めて』朝日新聞出版. 京都芸大美術教育研究会・日本文教出版編集部 編集『新版 美術の表現と鑑賞』株式会社秀学社. 片桐仁(2015)『おしり2 ラーメンズ片桐仁のおしえて何故ならしりたがりだから …

番外編【終演後の対面】銀座 蔦屋書店 トークイベント運慶展に寄せて

若山牧水に”まろびる”という言葉があります。円びる、と書いて”和む”、”丸く収まる”、”自由自在に転がる”と使います。 笑いを盛り、理性の武装を削り取り、トークを”転がし”、場を”和ませ”る片桐仁さん。 粘土も”自由自在に転がす”その手が境界線のソトから…

14/14【終わりに】銀座 蔦屋書店 トークイベント運慶展に寄せて

お客さんに寄り添い、講師との間に立ち、どの立場のかたにも手を差し伸べ、時に運慶が乗り移ったかのように、時にただもうご自身が夢中で仕方ないように、この一時間半、何役こなされたことでしょう。 専門解説だけじゃ敷居高いし法話だけじゃお寺で聴いたほ…

13/14【幅広い分野でご活躍。ファンはどんな人?】銀座 蔦屋書店 トークイベント運慶展に寄せて

対面でのコミュニケーションを楽しみにしていたファンのどなたもが、ファンに配慮するファンでした。 我先にとは飛び付かず、どなたも行列を作らず遠巻きに順番をお待ちしていて、お話し中のかたを急かすまいとしておられるのかなぁと感心しました。 皆さん…